こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通信講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「2016年(平成28年度)の問18、選択肢2の解説にある判例(最大判昭45.7.15)に「理由がないと認めて却下」とありますが、「理由がない⇒棄却」ではないのでしょうか」

 

そこで、今回は、理由がないのに「却下」となっている理由について解説していきます。

 

まず、「理由がない⇒棄却」というのは、行政不服審査法の裁決や行政事件訴訟法の判決を勉強すると出てくる内容になりますが、裁決や判決では「理由がない⇒棄却」がもちろん正しいです。

 

では、選択肢2の内容が、裁決や判決なのかというと、選択肢2は、供託官が、理由がないと認めて供託物取戻請求を却下する、という話です。

言い換えると、供託所(法務局)に、お金や物を供託した(預けた)人が、預けたものを取り戻そうと請求したら、供託官(法務局の担当者)が、「理由がないから却下した(取り戻しを認めなかった)」、という内容になります。

 

これは、行政不服審査法の裁決・行政事件訴訟法の判決の、どちらにも該当しません。

 

また、供託規則というものを見ると、その規則の中に「供託官は、~請求を理由がないと認めるときは、却下決定書を作成し~」という条文があるので、供託では、理由がない場合は「却下」という表現を使っていることがわかります。

 

紛らわしいですが、供託では「理由がない⇒却下」という表現になっている、というだけの話なので、供託官が供託物取戻請求を理由がないと認めて却下した、というのは、「供託官が、供託物取戻請求に理由がないから、請求を認めなかった」と考えればOKです。

 

なお、この判例では、供託官がした却下は、行政処分に該当する、という点をおさえることが大切になります。

 

今回は、「理由がないのに「却下」となっている理由」についてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

ステップアップファーストは、行政書士試験に合格するために、受講者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの試験対策を行う「個別指導」にこだわった行政書士試験対策専門スクールとして、10年間で多数の合格者を送り出してきました。

 

ステップアップファーストの行政書士試験対策講座はすべて個別指導です。

通学講座はもちろん、通信講座でも個別に指導を受けられます。

通学講座は、山梨県外からの受講も大歓迎です。通信講座は全国対応しています。

≫「行政書士試験に合格するために何をどう勉強すればいいのか迷っている」という方へ。行政書士通信講座(個別指導)のご案内