こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通信講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「会社法63条3項に「払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う」とありますが、株主になる権利を失うのは、払込みをしなかったときなのか、それとも払込みをしたときなのでしょうか?」

 

そこで、今回は、会社法63条3項の「株主になる権利を失うとき」と「払込みをする/しない」について解説していきます。

 

まず、株主になる権利を失うのは、払込みをしなかったとき、となります。

 

会社法63条3項は、紛らわしい条文ですが、「払込みをすることにより」と「設立時募集株式の株主となる権利」は、分けるのではなく、まとめて1つの語句になります。

つまり、「払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利」で1つの語句です。

 

会社法63条は、次のような条文です。

 

【参考】会社法63条

設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。

2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。

3 設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。

 

まず、63条1項で、設立時募集株式の引受人(株主になろうとする人)は、一定の期間内に、一定の場所で、引き受けた株式の対価(払込金額)の全額を払う義務がある、と定めています。

 

そして、63条3項は、引受人が63条1項の払込みをしなかった場合、引受人は、株主になる権利がなくなりますよ、という条文です。

 

引受人が、株主になるには、払込みをする必要があるわけなので、それを「当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利」と表現しているだけで、単純に、払込みをしないと、株主になれない、という内容の条文です。

なので、株主になる権利を失うのは、払込みをしなかったとき、ということになります。

 

今回は、「会社法63条3項の「株主になる権利を失うとき」と「払込みをする/しない」」についてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

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