平成27年度試験、問41の問題文(判決文)の内容について(行政書士試験対策専門ブログ)
こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通信講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「多肢選択式の憲法の問題にある、問題文(判決文)の内容を、ホームページの判例集のように掲載できないでしょうか?」
そこで、今回は、平成27年度試験、問41の問題文(判決文)の内容について解説していきます。
他の年度の問題文(判決文)についても、別の記事で改めて解説したいと思います。
平成27年度試験、問41は、「最判平17.7.14」の判決文が題材となっています。
<判決文①>
公立図書館は、住民に対して思想・意見などの情報を含む図書館資料を提供して、教養を高めることを目的とする公的な場といえる。
そして、公立図書館の職員は、公立図書館が上の役割を果たせるように、自分の評価や好みにとらわれずに、公正に図書館資料を取り扱う仕事上の義務があるので、図書館の本を、自分の評価や好みで捨てることは、図書館職員としての基本的な仕事上の義務に反する。
公立図書館は,住民に対して思想,意見その他の種々の情報を含む図書館資料を提供してその教養を高めること等を目的とする公的な場ということができる。
そして,公立図書館の図書館職員は,公立図書館が上記のような役割を果たせるように,独断的な評価や個人的な好みにとらわれることなく,公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務を負うものというべきであり,閲覧に供されている図書について,独断的な評価や個人的な好みによってこれを廃棄することは,図書館職員としての基本的な職務上の義務に反するものといわなければならない。
<判決文②>
一方、公立図書館が、住民に図書館資料を提供する公的な場ということは、図書館にある本の作者にとっては、自分の思想・意見を一般の人に伝える公的な場でもあるといえる。
したがって、公立図書館の職員が図書館にある本を作者の思想・信条を理由に不公正な取扱いをして捨てることは、作者が作品で自分の思想・意見を一般の人に伝える利益を減らすものといえる。
(2) 他方,公立図書館が,上記のとおり,住民に図書館資料を提供するための公的な場であるということは,そこで閲覧に供された図書の著作者にとって,その思想,意見等を公衆に伝達する公的な場でもあるということができる。
したがって,公立図書館の図書館職員が閲覧に供されている図書を著作者の思想や信条を理由とするなど不公正な取扱いによって廃棄することは,当該著作者が著作物によってその思想,意見等を公衆に伝達する利益を不当に損なうものといわなければならない。
<判決文③>
そして、作者の思想の自由、表現の自由が憲法で保障された基本的人権ということを踏まえると、公立図書館で、図書館にある本の作者が持っている利益(作者の思想・意見を一般の人に伝える利益)は、法的な保護に値する人格的利益に該当すると解釈するのがふさわしく、公立図書館の職員(公務員)が、図書館の本を捨てることについて、基本的な仕事上の義務に違反して、作者や作品に対する自分の評価や好みで不公正な取扱いをした場合、作者の人格的利益を侵害するので国家賠償法上違法となる。
そして,著作者の思想の自由,表現の自由が憲法により保障された基本的人権であることにもかんがみると,公立図書館において,その著作物が閲覧に供されている著作者が有する上記利益は,法的保護に値する人格的利益であると解するのが相当であり,【要旨】公立図書館の図書館職員である公務員が,図書の廃棄について,基本的な職務上の義務に反し,著作者又は著作物に対する独断的な評価や個人的な好みによって不公正な取扱いをしたときは,当該図書の著作者の上記人格的利益を侵害するものとして国家賠償法上違法となるというべきである。
今回は、「平成27年度試験、問41の問題文(判決文)の内容」についてお話をさせていただきました。
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