こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通信講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「行政不服審査法52条2項について質問です。条文には『申請に基づいてした処分が手続の違法若しくは不当を理由として裁決で取り消され』とありますが、申請に基づいてした処分(たとえば何らかの許可が下りた)が違法若しくは不当を理由として裁決で取り消されるのは、申請許可が下りていた訳ですから、その他の法律上の利益を有する第三者からの訴えがあったというような場面でしょうか?」

 

そこで、今回は「申請に基づいてした処分が、手続の違法や不当を理由に裁決で取り消される場面」について解説していきます。

 

ここの「申請に基づいてした処分」は、申請を認めた(認容した)処分なので、申請に基づいて許可が出た場合と考えるとイメージしやすいです。

申請を認めなかった(拒否した)処分については、同じ行政不服審査法52条2項に『申請を却下し、若しくは棄却した処分が裁決で取り消された場合』とあります。

 

ご質問にあるように、申請に基づいて許可が出て、その許可が違法や不当を理由に取り消されるのは、第三者が取消しを主張した場合が想定されています。

申請した本人は、その許可が欲しくて申請をしているので、許可が出た後で、本人が「この許可は違法だから取り消してくれ」と主張することは考えにくいです。

 

たとえば、Aさんが銭湯の営業許可申請を保健所にしたら、無事に営業許可処分が出ました。

ところが、その後、近くで銭湯を経営しているBさんが「Aさんの営業許可処分をするには、処分の前に利害関係人(Bさん)の意見を聴く必要があるのに、私には何の連絡もなかったから手続が違法だ」と審査請求をして、その結果、裁決でAさんの営業許可処分が取り消されたという場面が考えられます。

 

行政事件訴訟法33条3項と内容が似ているので、そちらもチェックしておくことをおすすめします。

 

今回は、申請に基づいてした処分が、手続の違法や不当を理由に裁決で取り消される場面についてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

ステップアップファーストは、行政書士試験に合格するために、受講者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの試験対策を行う「個別指導」にこだわった行政書士試験対策専門スクールとして、10年間で多数の合格者を送り出してきました。

 

ステップアップファーストの行政書士試験対策講座はすべて個別指導です。

通学講座はもちろん、通信講座でも個別に指導を受けられます。

通学講座は、山梨県外からの受講も大歓迎です。通信講座は全国対応しています。

≫「行政書士試験に合格するために何をどう勉強すればいいのか迷っている」という方へ。行政書士通信講座(個別指導)のご案内