令和6年度試験、問41の問題文(判決文)の内容について(行政書士試験対策専門ブログ)
こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通信講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「多肢選択式の憲法の問題にある、問題文(判決文)の内容を、ホームページの判例集のように掲載できないでしょうか?」
そこで、今回は、令和6年度試験、問41の問題文(判決文)の内容について解説していきます。
他の年度の問題文(判決文)についても、別の記事で改めて解説したいと思います。
令和6年度試験、問41は、「最大決平25.9.4」の判決文が題材となっています。
<判決文①>
本件規定(非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1にする部分)は、民法の一部で、相続に関する条文で、平成13年7月(原告・被告の相続が開始した時点)から既に12年が経っていることを考慮すると、その間に、本件規定を前提に、多くの遺産分割が行われて、更にその遺産分割を基に新しい権利関係が発生している(例:相続した不動産の売買契約をする)ことは簡単に想像できる。
特に、この違憲判断は、社会状況の変化に照らし合わせて、本件規定が筋が通らなくなったことを理由に、憲法に違反することを裁判所として初めて明らかにするものとなる。
それにもかかわらず、この違憲判断が、先例としての事実上の拘束性(※)という形で、既に行われた遺産分割の効力にも影響するなど、解決済みの事案にも効果があると、大きく法的安定性(法律の内容に一貫性があること)を害することになる。
| ※ 先例としての事実上の拘束性:裁判所が、ある問題(争点)について判断を下した後で、他の裁判で同じことが争われた場合、前に下された裁判所の判断に従わなければならないこと |
法的安定性は、法に共通して必要なもので、この違憲判断も、先例としての事実上の拘束性を限定して、法的安定性を確保することとのバランスを取ることが求められているから、このバランスを取ることは、裁判で本件規定を憲法違反と判断することが適切かどうかという点からも問題になる。
本件規定は,国民生活や身分関係の基本法である民法の一部を構成し,相続という日常的な現象を規律する規定であって,平成13年7月から既に約12年もの期間が経過していることからすると,その間に,本件規定の合憲性を前提として,多くの遺産の分割が行われ,更にそれを基に新たな権利関係が形成される事態が広く生じてきていることが容易に推察される。
取り分け,本決定の違憲判断は,長期にわたる社会状況の変化に照らし,本件規定がその合理性を失ったことを理由として,その違憲性を当裁判所として初めて明らかにするものである。
それにもかかわらず,本決定の違憲判断が,先例としての事実上の拘束性という形で既に行われた遺産の分割等の効力にも影響し,いわば解決済みの事案にも効果が及ぶとすることは,著しく法的安定性を害することになる。
法的安定性は法に内在する普遍的な要請であり,当裁判所の違憲判断も,その先例としての事実上の拘束性を限定し,法的安定性の確保との調和を図ることが求められているといわなければならず,このことは,裁判において本件規定を違憲と判断することの適否という点からも問題となり得るところといえる(前記3(3)ク参照)。
判決文②
以上の観点から、既に関係者の間で裁判を行ったり、合意して確定的なものになった法律関係(例:完了した遺産分割)まで現時点で覆すことはふさわしくないけど、関係者の間の法律関係が確定する前の事案なら、憲法に違反して無効とされた本件規定を適用しないで、法律関係を確定させる(例:遺産分割を行う)ことがふさわしい。
以上の観点からすると,既に関係者間において裁判,合意等により確定的なものとなったといえる法律関係までをも現時点で覆すことは相当ではないが,関係者間の法律関係がそのような段階に至っていない事案であれば,本決定により違憲無効とされた本件規定の適用を排除した上で法律関係を確定的なものとするのが相当であるといえる。
今回は、「令和6年度試験、問41の問題文(判決文)の内容」についてお話をさせていただきました。
いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
ステップアップファーストは、行政書士試験に合格するために、受講者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの試験対策を行う「個別指導」にこだわった行政書士試験対策専門スクールとして、10年間で多数の合格者を送り出してきました。
ステップアップファーストの行政書士試験対策講座はすべて個別指導です。
通学講座はもちろん、通信講座でも個別に指導を受けられます。
通学講座は、山梨県外からの受講も大歓迎です。通信講座は全国対応しています。
