こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「公権力の行使とは何ですか?」

 

そこで、今回は「公権力の行使」について解説していきます。

 

公権力の行使とは「行政がすることで、国民の権利や義務が動くもの」です。

その典型的なものが「処分」です。

例:自動車税の賦課処分 ⇒ 自動車税を支払う義務が発生する

例:ラーメン屋の半年間の営業停止処分 ⇒ ラーメン屋を営業する権利が制限される

 

行政手続法2条2号、行政不服審査法1条2項、行政事件訴訟法3条2項では「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」という表現が使われているので、名前が処分でなくても、行政がそれをすることで、国民の権利や義務が動くものは、公権力の行使に該当することがあります。

 

たとえば、「強制力のある事実行為」(一部の行政指導)は、公権力の行使に該当するので、その行為に納得できない場合に、不服申立てや取消訴訟が認められることもあります。

例:伝染病患者の強制隔離

例:医療法に基づく、病院開設中止の勧告

 

また、国家賠償法1条1項では「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が」という表現が使われているので、国家賠償請求をするには、公務員が公権力を行使していることが必要になります。

 

国家賠償法1条1項の「公権力の行使」は、より広い意味で使われているので、次の2つのどちらかに該当するもの以外は、すべて国家賠償法1条1項の公権力の行使に該当します。

① 公の営造物の設置・管理(国家賠償法2条の対象になります)

例:道路や河川の設置・管理

② 行政契約などの私経済活動

例:市役所が、公用車として使う車の売買契約を結ぶ

 

立法権(国会議員の立法行為)や司法権(裁判官がする裁判)も、公権力の行使に該当することがある、という判例があるので、立法権や司法権が、国家賠償法上「違法」と判断されることもあります。

 

平成29年度の行政書士試験、問題20の選択肢3と選択肢4に、立法権や司法権と国家賠償法の関係についての選択肢があるので、こちらをチェックしておくことをおすすめします。

 

今回は、公権力の行使についてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

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