こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「過去問の平成26年度、問題30、選択肢3の「動産売買の先取特権に基づく物上代位」について、詳しく説明していただけないでしょうか。」
そこで、今回は「動産売買の先取特権に基づく物上代位」について解説していきます。
過去問の平成26年度、問題30、選択肢3では、登場人物が4人います。
A(動産の売主) ※ 動産=カメラとします
B(動産の買主、転売した動産の売主)
C(転売した動産の買主)
D(債権譲渡の譲受人)
まず、AがBにカメラを10万円で売りました。(代金は後払い)
その後、Bは、Aに代金を支払う前に、Cにカメラを15万円で売りました。
そして、Bは、Cに転売したカメラ代(15万円)の債権を、Dに譲渡しました。(Cは、BではなくDに15万円を支払う)
この場合、Aは、まだBから代金(10万円)を受け取っていないので、カメラに対して先取特権があります。
(カメラの転売代金から、優先的に10万円を受け取れる)
ただし、選択肢を見ると「譲受人(D)が第三者に対する対抗要件を備えた」とあります。
この場合、Aは、Dに先取特権を使って代金の10万円を回収できるのか、という話ですが、判例は「債権が譲渡されて、Dが対抗要件を備えた場合はできない」という結論になっています。
先取特権には、抵当権の登記のような公示方法がないので、債権の譲受人(D)が、Aの存在を知ることは難しいため、この場合は、AよりDを優先して保護するからです。
参考までに、選択肢3の内容に、各登場人物の表記を追加したものを掲載しておきます。
動産売買の先取特権に基づく物上代位につき、動産の買主(B)が第三取得者(C)に対して有する転売代金債権が譲渡され、譲受人(D)が第三者に対する対抗要件を備えた場合であっても、当該動産の元来の売主(A)は、第三取得者(C)がその譲受人(D)に転売代金を弁済していない限り、当該転売代金債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
今回は、動産売買の先取特権に基づく物上代位についてお話をさせていただきました。
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