こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「地方自治法242条(住民監査請求)と地方自治法242条の2(住民訴訟)で争えること、争えないことの違いは何でしょうか?」

 

そこで、今回は「住民監査請求と住民訴訟の違い」について解説していきます。

 

住民監査請求と住民訴訟で争えること、争えないことの違いは次の通りです。

・住民監査請求 ⇒ お金が絡んだ「違法」か「不当」な行為

・住民訴訟 ⇒ お金が絡んだ「違法」な行為

 

この違いは、行政不服審査法と行政事件訴訟法の違いと同じです。

・行政不服審査法 ⇒ 「違法」か「不当」な行政行為

・行政事件訴訟法 ⇒ 「違法」な行政行為

 

「お金が絡む行為」=「財務会計上の行為」です。

 

お金が絡む行為は、具体的には、次のような行為があります。

(1) 公金の支出(税金の使い方)

(2) 財産(土地、建物、物品など)の取得・管理・処分

(3) 契約(工事請負、購買など)の締結・履行

(4) 債務その他の義務の負担(借入れなど)

(5) 公金の賦課・徴収を怠る事実(市民税の徴収を怠る場合など)

(6) 財産の管理を怠る事実(損害賠償請求を怠る場合など)

 

行政の財政に何らかの悪影響を与える行為に対して、住民側から「それはおかしい!」と声をあげるための制度が、住民監査請求と住民訴訟です。

 

最初に書いたとおり、「不当」な行為を争えるのは住民監査請求だけなので、「不当」な行為について住民訴訟で争うことはできません。

「違法」な行為については、住民監査請求と住民訴訟の両方で争うことができます。

 

また、争えるのは「財務会計上の行為=お金が絡んだ行為」なので、「あの公務員の勤務態度が悪いから何とかしろ」というような、お金とは関係ないことを住民監査請求や住民訴訟で争うことはできません。

 

今回は、住民監査請求と住民訴訟の違いについてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

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