こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

ステップアップファーストのホームページでは、これまでに行政書士試験で出題された行政法と民法の判例集を掲載しています。

本日、民法の判例集(平成)に、(最判平8.10.31)を追加しました。

 

この判例は、共有している土地を「全面的価格賠償」という方法で分割することを認めた判例です。

共有物の分割方法には、全部で3つの方法があります。

 

そこで、今回は「共有物の3つの分割方法」について解説していきます。

 

共有物の分割方法には「現物分割」「代金分割」「価格賠償」の3つがあります。

たとえば、甲土地(100㎡)を、Aさんが70%、Bさんが30%共有していて、上の3つの方法でそれぞれ分割する場合は、次のように分けることになります。

 

1.現物分割の場合

甲土地を、70㎡と30㎡の2つに分けて(分筆して)、Aさんが70㎡の部分の所有者に、Bさんが30㎡の部分の所有者になります。

 

2.代金分割の場合

甲土地を売った代金を、AさんとBさんで分けます。

もし、甲土地が1,000万円で売れた場合、Aさんが700万円、Bさんが300万円を受け取ります。

 

3.価格賠償の場合

価格賠償は、「共有物を分割するパターン」と「共有物は分割しないパターン」の2パターンに分かれます。

共有物を分割するパターンを「一部価格賠償」や「部分的価格賠償」といいます。

共有物は分割しないパターンを「全面的価格賠償」といいます。

 

3a.一部価格賠償(部分的価格賠償)の場合

甲土地を、70㎡と30㎡の2つに分けて(分筆して)、Aさんが70㎡の部分の所有者に、Bさんが30㎡の部分の所有者になります。

この点は、現物分割と同じです。

このとき、土地の面積と、土地の価格が同じでない場合があります。(たとえば、片方の土地は道路に面していて、もう片方の土地より価格が高い場合が考えられます)

 

上の例で、甲土地の価格が1,000万円で、70㎡の部分の価格が800万円で、30㎡の部分の価格が200万円だとしたら、土地の面積は「A:B=70%:30%」になっていますが、土地の価格は「A:B=80%:20%」とAさんが100万円多く、Bさんが100万円少なくなっています。

こういった場合は、AさんがBさんに、余分な価格(100万円)を支払うことで、Aさんは「800万円-100万円=700万円」、Bさんは「200万円+100万円=300万円」となって、土地の面積とつりあいが取れるようになります。

 

3b.全部価格賠償の場合

Aさんが、甲土地の全部の所有者になって、Bさんが共有していた部分の代金を全額支払う方法です。

もし、甲土地の価格が1,000万円なら、Aさんは、Bさんに300万円(Bさんの持分30%の分)を支払うことになります。

 

今回は、共有物の3つの分割方法についてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

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